
1.2 下の[B]を読んでみましょう。
(1) 全体をざっと読んで、次の質問についてペアやグループで話しましょう。
Q1. この本のジャンルは何ですか。
Q2. この本を読んでみたいと思いましたか。どんなところに興味を持ちましたか。この本を読むと、日本
のどんなところが理解できると思いますか。
Q3. この本があなたの国で翻訳出版された場合、多くの人に読まれると思いますか。
(2) もう一度読んで、書評の書き方を確認しましょう。次の①~③が書かれている部分を探して質問に答え
ましょう。
①この本の概要: 書き方は、次のどちらのタイプですか。
(ア)この本の内容を詳しく述べて、そこから見える社会状況を紹介している。
(イ)この本の背景となる社会状況を詳しく述べて、内容のポイントだけ紹介している。
②この本で取り上げている日本の社会状況や日本人の考え方(背景): 具体的に何を取り上げていますか。
③この本に対する評者の見解(評価): この本のどんなところを評価していますか。
[B]
絶望の国の幸福な若者たち
古市 憲寿
講談社(講談社+α文庫)/2015 年
/432 ページ/本体 780 円/
ISBN 978-4-06-281612-0
初出:2011 年講談社より単行本刊行
日本ではバブル崩壊後、不況が長く続き、格差社会、ワーキングプアなど、社会的不平
等が注目されるようになった。長期間の経済低迷は、中高年の生活を痛めつけただけでは
なく、まっさきに不利益を被ったのはむしろ若者世代だ、とする意見が多い。
実際、新規採用が減り続ける中で、若者は就職難にあえぎ、その多くは非正規雇用者
として不安定な生活を強いられている。また、高齢化が進むにつれ、世代間の負担と給付
の格差も拡大しつつある。にもかかわらず、当の若者たちからは反発する動きは見られな
い。その理由は何か。
本書によると、世の中で語られている若者のイメージと若者の実像とのあいだに大きなズ
レがあり、ましてや本人たちの認識とまったく違うという。若者たちは思われるほど不幸ではな
い。本人たちは身近な人たちとの関係を大事にし、小さな幸せに満足している。もちろん、
彼らは若者が不利な状況におかれていることをよく承知している。しかし、日本は成熟した
社会になり、明日は今日よりよくなることはもはや望めないのもよく心得ている。
著者自身も若者で、東京大学の大学院博士課程に在学している。この強みを生かし、
インタビューを通して同世代から本音を巧みに引き出した。地道なフィールドワークと周到な
資料調査のおかげで、これまでとまったく違った若者論を展開することができた。(CK)
http://www.jpf.go.jp/j/project/culture/publication/supportlist_publish/worth_sharing/pdf/vol_1/ws18.pdf より
☆“Worth Sharing”のサイトで他の書評も読んでみましょう。
1.3 2 つの書評を読んで、これからあなたが書くべき書評のイメージができましたか。2 つの書評のどんな
ところを参考にしたいと思いますか。ペアやグループで話してみましょう。
☆次のセクションでは自分の国の書籍を紹介するための書評を書きます。どの本を取り上げるか考えておきましょう。
取り上げたい本がどうしても思いつかない場合は、自分の国の映画やテレビ番組を取り上げてもかまいません。